黒猫あんみつ

タイトル通り黒猫とあんみつが好きです。

映画館に行った。

立て続けに映画館で映画を観た。四時間くらいだが、ふだん野球を観ているせいか、四時間は長いけれども、野球一試合分くらいの時間なので、そう考えると長くもないかもしれない。

 

Winny

東浩紀がおもしろかったと書いていたので、ちょっと観てみようかと思った。東出が好演だったと思う。この俳優さんは、私生活でいろいろあったが、俳優としては何か独特のものがある。『寝ても覚めても』の東出は二役やっていて、存在感があったし、今回も金子勇さん役のひょうひょうとした感じは東出の感じと合っていたのではないか。

Winny事件は、うっすら覚えていて、匿名でいろいろなデータのダウンロードができるということで、問題になっていた。ただ、当時の報道でも、いったい何故逮捕されるのかわからない、と専門家は言っていた。結局うやむやになり、しかし、裁判は続いていて、最後は無罪になった。無罪になったことは知らなかった。金子勇さんが亡くなったニュースは見た気がする。

最近のドラマ『エルピス』に似ていると思う。警察の捜査、裁判での検察や裁判官、何か違和感がある。政治家が動いたのだろうか。そもそも最初に弁護士が言うように何の罪で捕まっているのかわからない。日本の裁判ってちょっと恐い部分がある。

この映画は食事の場面がたくさんあって、そこが良いと思った。人間は食事をしているときは前に向いて、将来のことを考えていると思う。それゆえ食事をしている場面があるのはいいと思った。金子勇さんは多くの時間を裁判にもっていかれてしまったけど、ああやって、弁護士の方とわいわいと宇宙のことや、飛行機のことを話せた時間というのは、そこだけは愉快な時間だったのではないか。この逮捕がなければ、彼は薄暗い自室でひとりパソコンに向かいながら、お菓子をむさぼる不健康な生活をしていたに違いない。人生というのは何がおきるかわからない。運命というものがあって、一度飲み込まれてしまったら、そのまま自分でもよくわからない場所に行ってしまうものだと思った。

冒頭の話に戻るが、東出はみょうに憎めない人懐っこさがあり、今回の役には合っていたと思う。私生活においていろいろあったが、俳優としてこれからも頑張ってほしい。

 

『シン・仮面ライダー

庵野秀明「シン」シリーズは映画館でいつも観ている。仮面ライダーの詳細な設定は忘れてしまったけど、知識がなくても、おそらく楽しめる。シン・仮面ライダーはショッカーが死ぬ場面がわりとグロテスクに描かれている。頭が潰されて血が吹いたりする。シン・仮面ライダーは、自分では制御できない力に恐怖を感じ、相手を無慈悲に殺すことへ抵抗を感じている。観客も、あれだけグロテスクにショッカーが死ぬところを観ると、シン・仮面ライダーと同じように「はたしてこんなふうに敵を殺していいものなのだろうか」と思うのではないか。

現在進行形でロシアは戦争をしているし、これまでアメリカがしてきた戦争もそうだけど、それぞれに正義があって、人を殺している。これからもたくさん戦争で人が死ぬだろう。身近におこる犯罪もそうで、どうしてこんな理由で人が人を殺せるのか、と思う事件がたくさんある。と、拡大していろいろ考えてしまった。

ネットの感想はあまり見ないようにしていたが、『シン・仮面ライダー』は宗教二世問題をテーマにしていると書いている人がいた。なるほど、おもしろい見方だなあと思った。