黒猫あんみつ

タイトル通り黒猫とあんみつが好きです。

『地獄の黙示録』 フランシス・F・コッポラ

『闇の奥』を観たので、もう一回観なおしてみた。この作品はいくつかのバージョンがあるが、今回はファイナル・カットと呼ばれるものを観た。前回観たのが、おそらくは大学生のときで、どのバージョンを観たのかあまり覚えていない。前回観たときも長いと感じたが、今回も長いと感じた。この作品で最初に強烈なインパクトを残すビル・ギルゴア中佐はベトナム人を殺すことに何とも思ってはいない。彼は サーフィンが大好きで、なかなかぶっとんでいる。 戦地でサーフィンをするためにサーフボードを持参している。戦争を戦争と思っていない。アメリカのトランプ前大統領にキャラクターがなんだか似ている。ワーグナーワルキューレを流しながら爆撃をするのは、なかなか悪趣味だ。ビル・ギルゴア中佐はカーツ大佐と対比されている。フランス農園の人々は、自分の土地を守るために戦うと言ったあとに、ウィラード大尉に対して「アメリカはなんのために戦っているんだ?」と問いかける。この問いはいまなおアメリカという国に対して投げかけられている問いだと思う。最後に本物の牛を屠殺する場面があり、観ていてきつかった。いまだと作品に組み込むのは無理な場面だろう。カーツ大佐が朗読しているのは、エリオットの『空ろな人々』。『空ろな人々』のエピグラムは『闇の奥』の一文が使われている。